7/13/2016

翻訳 - 原文

翻訳が依頼される場合、特にマニュアル関連文章では、お客さんが既に何かの商品を輸出の為に英文のマニュアルを作成しているから、依頼の場合「本当の原文=日本語」ではなく英語からドイツ語への翻訳になる。
しかし、その「英語」は取り分け素晴らしい。幾つからの例をあげましょう。
• "Position of the transport"
• "Information behavior"
• "When the Information sound occurs, XXX performs the following behavior."
• "displays the screen for checking the message."
• "To prevent infection, disposable product is a single-use."

さて、翻訳者は「翻訳作業」を行っているとき、特に翻訳会社が「忠実」の訳文を要求している際、原文を持ってそのまま他の言語に移し替える。上記の例を「そのまま」ドイツ語に翻訳すると全く分からない戯言になってしまう。
しかし、「原文」をちゃんと意味の通る文章にするのは「翻訳」ではなく、copywriting, writing, creation になる。作業の内容が異なるし、本来それに支払われる値段も異なる筈だ!!!

過去+30年の翻訳している間、依頼主からそういう余計な作業は別当に払う・・・ 聞いた事ない夢の世界だ。

「出来た」所

最近よく翻訳会社から「部分訳」が依頼される。つまり似た文章は以前もあったため、変更箇所のみ翻訳対処となる。
それはそれでいいですが、今まで見た件数の中では例の「出来ている所」が問題だ。
「出来ている所」は「完成」=手出し不要と言う意味だ。しかし、ちらっと見たところ(本来私のやるべくことではない)で複数 / 多数の妙な箇所が目に入る。
例えば医療分野で使われるポンプ類のマニュアル、恐らくお客さんは勝手に英文を作って、それをドイツ語訳を依頼した、には "Machtschlüssel" と言う単語に出くわした。見たことも聞いた事もない。ネットで調べて、ヒット数も極めて少ないし、出て来るコンテキストは政治かパソコンゲーム。いずれの場合誰が勝手に作った造語だろう。

暫く考えて見ると、私は知らない原文(なにしろ、私の仕事ではない!)では恐らく "power key" となっているではないか。だったら誰でも分かるドイツ語は "Netzschalter" になる。

このような意味不明な「脱線」はきっと会社 =お客さんも、翻訳会社も、値段を抑えて商品を格安に仕上げたい願望に由来するだろう。結果:日本人は自分たちを恥さらしにしてしまう。
ご苦労様だね。